東京都 児童発達支援・放課後等デイサービスの指定の注意点
東京都内で児童発達支援や放課後等デイサービスを開設するためには、児童福祉法に基づく「指定障害児通所支援事業者」の指定を受けなければなりません。
東京都の指定申請では、指定協議説明会への参加、区市町村への相談、事前調査票・事業計画書の提出、東京都福祉保健財団との指定前相談、指定申請書の提出、現地確認という手順を踏みます。
特に注意したいのが、説明会の動画は常時視聴できても、指定申請の締切は随時ではないという点です。
令和8年度は、事前調査票・事業計画書の受付締切、指定申請書の提出期限、最短指定日が、全12回の年間スケジュールとして定められています。
では、早速みていきましょう。
1.最初に指定権者を確認しましょう
東京都内に事業所を設置する場合でも、すべての地域で東京都が指定権者になるわけではありません。
令和8年4月1日時点では、次の11区市について、障害児通所支援事業所の指定権限が東京都から各区市へ移っています。
- 八王子市
- 世田谷区
- 江戸川区
- 荒川区
- 港区
- 中野区
- 板橋区
- 豊島区
- 葛飾区
- 品川区
- 文京区
これらの区市で開設する場合は、説明会参加後の事前相談、申請書類、提出方法、提出期限などを、各区市へ確認する必要があります。
ただし、指定権限が区市へ移っている場合でも、東京都が実施する指定協議説明会への参加は必要です。
上記以外の地域では、原則として東京都が指定権者となり、新規指定申請の受付や指定前相談などは、公益財団法人東京都福祉保健財団が担当しています。

2.説明会動画は常時視聴可能ですが、申請期限は決まっています
令和8年度の障害児通所支援事業者指定協議説明会は、オンデマンド動画によるオンライン開催です。
動画は常時視聴できますが、動画を視聴しただけでは説明会へ出席したことにはなりません。
視聴後にアンケートを提出し、その提出をもって出席確認となります。アンケートを提出していない場合は、説明会へ出席したものとみなされません。
説明会への参加が必要となるのは、主に次の方です。
- 法人の指定協議担当者
- 開設予定事業所の管理者または管理者予定者
管理者については、遅くとも指定月までに説明会へ参加する必要があります。
また、説明会の有効期限は参加月から1年間です。参加後1年以内に事業計画書等を提出しなかった場合は、改めて説明会に参加する必要があります。
法人の設立についても、初回面談を開始するまでに完了していることが必要です。
3.令和8年度の年間スケジュール
令和8年度は、次のとおり全12回のスケジュールが設定されています。
| 回 | 事前調査票・事業計画書の受付締切 | 指定申請書の提出期限 | 最短指定日 |
|---|---|---|---|
| 第1回 | 令和8年4月30日 | 令和8年6月30日 | 令和8年8月1日 |
| 第2回 | 令和8年5月29日 | 令和8年7月31日 | 令和8年9月1日 |
| 第3回 | 令和8年6月30日 | 令和8年8月31日 | 令和8年10月1日 |
| 第4回 | 令和8年7月31日 | 令和8年9月30日 | 令和8年11月1日 |
| 第5回 | 令和8年8月31日 | 令和8年10月30日 | 令和8年12月1日 |
| 第6回 | 令和8年9月30日 | 令和8年11月30日 | 令和9年1月1日 |
| 第7回 | 令和8年10月30日 | 令和8年12月28日 | 令和9年2月1日 |
| 第8回 | 令和8年11月30日 | 令和9年1月29日 | 令和9年3月1日 |
| 第9回 | 令和8年12月28日 | 令和9年2月26日 | 令和9年4月1日 |
| 第10回 | 令和9年1月29日 | 令和9年3月31日 | 令和9年5月1日 |
| 第11回 | 令和9年2月26日 | 令和9年4月30日 | 令和9年6月1日 |
| 第12回 | 令和9年3月31日 | 令和9年5月31日 | 令和9年7月1日 |
例えば、令和8年11月1日の指定を希望する場合は、令和8年7月31日までに、初回の事前調査票・事業計画書等を提出する必要があります。
その後、指定前相談や書類確認を進め、令和8年9月30日までに指定申請書類を提出します。
※表に記載されているのは、あくまでも「最短指定日」です。書類の補正、物件の工事、人員の資格確認、審査の進行状況などによって、指定日が後ろにずれる場合があります。
4.指定までの基本的な流れ
東京都が指定権者となる地域では、おおむね次の流れで手続きを進めます。
①指定希望月の半年前を目安に準備を始める
東京都の指定申請マニュアルや指定協議説明会資料を確認し、説明会動画を視聴します。
物件、人員、法人、資金計画、支援内容などについても、この段階から検討します。
②開設予定地の区市町村へ相談する
開設予定地の区市町村へ、地域の障害児支援のニーズや開設計画について相談します。
指定前相談では、区市町村へいつ相談したのか、どのような意見や回答を受けたのかについても確認されます。
「利用希望者がいると思う」といった主観だけではなく、区市町村から聞き取った情報など、客観的な地域ニーズを説明できるようにしましょう。
③指定希望月の4か月前までに事業計画書等を提出する
説明会参加後、区市町村への相談を行ったうえで、年間スケジュールの締切までに、次の書類などを提出します。
- 事前調査票
- 事業計画書
- 設備基準チェックリスト
- 平面図などの物件関係資料
提出後、東京都福祉保健財団との指定前相談や面談が行われます。
④物件と人員の確認を受ける
指定前相談では、物件が設備基準を満たしているか、職員が資格要件・配置基準を満たしているかなどが確認されます。
物件や人員に問題がある状態では、指定申請書を提出しても指定を受けられません。
⑤指定申請書類を提出する
年間スケジュールで定められた期限までに、指定申請書、付表、運営規程、人員関係書類、物件関係書類などを提出します。
申請期限を過ぎてから不足書類を追加すればよいという考え方ではなく、期限までに必要書類をそろえることが重要です。
⑥指定前月に現地確認を受ける
指定希望月の前月には、東京都福祉保健財団による現地確認が行われます。
発達支援室、相談室、事務室、トイレ、洗面設備、安全対策、備品、掲示物などについて確認を受けます。
問題がなければ、原則として指定月の1日付で指定を受け、事業を開始します。
5.物件は契約前に相談しましょう
東京都の指定申請では、物件選びが非常に重要です。
発達支援室については、次の広さが必要とされています。
- 児童発達支援:児童1人当たり3平方メートル以上
- 放課後等デイサービス:児童1人当たり4平方メートル以上
定員10人の場合、児童発達支援では30平方メートル以上、放課後等デイサービスでは40平方メートル以上が必要です。
廊下、玄関、キッチンなどは、発達支援室の面積には含めません。また、職員の目が届く、死角のない一体的な空間であることが求められます。
このほか、原則として4平方メートル以上の事務室と相談室、専用トイレ、洗面設備なども確認されます。
さらに、児童福祉法上の設備基準だけでなく、次の関係法令等も確認しなければなりません。
- 建築基準法
- 消防法
- 都市計画法
- 新耐震基準
- 東京都や所在自治体のバリアフリー関係条例
- その他、建物や用途に関係する条例・規則
東京都のマニュアルでは、賃貸物件で事業を行う場合は、契約締結前に相談するよう明記されています。
先に賃貸借契約を結び、その後に面積不足、用途上の問題、消防設備の不足などが判明しても、指定を受けられるとは限りません。
6.人員の資格は早めに確認しましょう
一般的な児童発達支援・放課後等デイサービスでは、主に次の職種を配置します。
- 管理者
- 児童発達支援管理責任者
- 児童指導員または保育士
- 必要に応じて専門職員
児童発達支援管理責任者については、研修修了証だけでなく、実務経験の内容と期間を確認する必要があります。
児童指導員についても、教員免許、大学の卒業学部・学科、社会福祉士・精神保健福祉士、児童福祉事業の実務経験など、どの要件で児童指導員に該当するのかを確認します。
「以前、児童関係の仕事をしていた」「研修を受けたことがある」というだけで、資格要件を満たすとは限りません。
雇用契約書、資格証、卒業証明書、実務経験証明書、研修修了証などを早めに集め、指定日から基準どおり勤務できる体制を整えましょう。

7.具体的な支援内容を説明できるようにする
東京都の指定前相談では、書類の形式だけでなく、実際にどのような事業所を運営するのかが確認されます。
例えば、次のような内容です。
- なぜ児童発達支援・放課後等デイサービスを始めるのか
- なぜその地域で開設するのか
- どのような児童を対象とするのか
- 1日の支援スケジュール
- 5領域を踏まえた支援内容
- 保護者支援や移行支援
- 職員の研修計画
- 事故・感染症・災害への対応
- 虐待防止、身体拘束等の適正化
- 苦情や緊急時の対応体制
単に「運動療育を行います」「学習支援を行います」という説明だけではなく、誰が、どのような目的で、どのような方法により支援するのかを具体的に説明できるようにしましょう。
8.既存事業所の運営状況にも注意が必要です
既に障害福祉事業所を運営している法人が新たな事業所を開設する場合は、既存事業所の運営状況も確認されます。
例えば、既存事業所について、次のような問題がある場合は、新規指定が遅れたり、指定を受けられなかったりする可能性があります。
- 指導検査や監査で改善が確認されていない
- 人員・設備基準を満たしていない
- 変更届などの提出が滞っている
- 虐待通報に関する調査中である
- 運営状況や経営状況に問題がある
新しい事業所の準備だけでなく、既存事業所が法令や指定基準に沿って運営されているかも確認しましょう。
まとめ
東京都で児童発達支援・放課後等デイサービスを開設する場合、説明会動画は常時視聴できます。
しかし、指定申請が随時受け付けられているわけではありません。
令和8年度は、事前調査票・事業計画書の受付締切、指定申請書の提出期限、最短指定日が全12回の年間スケジュールとして決められています。
指定希望月の4か月前末日までに初回の事業計画書等を提出する必要があるため、物件、人員、法人設立、資金計画、支援内容について、余裕を持って準備を進めましょう。
あいまり行政書士法人では、児童発達支援・放課後等デイサービスの開業に向けたスケジュール作成、物件・人員要件の確認、指定申請書類の作成、行政機関との事前相談をサポートしています。
東京都で児童発達支援・放課後等デイサービスの開設をご検討中の方は、お早めにご相談ください。
※本記事は2026年7月時点の情報をもとに作成しています。指定手続、提出期限、指定権者、必要書類等は変更される場合があるため、申請時には東京都障害者サービス情報および各指定権者の最新情報をご確認ください。






