常勤・非常勤・専従・兼務に関する考え方 

用語の定義と4つの勤務形態の例 専従(専ら従事する・専ら提供に当たる) 兼務
当該事業所に勤務する時間帯において、その職種以外の職務に従事しないこと 当該事業所に勤務する時間帯において、その職種以外の職務に同時並行的に従事すること
常勤 当該事業所における勤務時間が、「当該事業所において定められている常勤の従業者が勤務すべき時間数」に達していること ①常勤かつ専従

1日あたり8時間(週40時間)勤務している者が、その時間帯において、その職種以外の業務に従事していない場合

②常勤かつ兼務

1日あたり8時間(週40時間)勤務している者が、その時間帯において、その職種に従事するほかに、他の業務にも従事する場合

非常勤 当該事業所における勤務時間が、「当該事業所において定められている常勤の従業者が勤務すべき時間数」に達していないこと ①非常勤かつ専従

1日あたり4時間(週20時間)勤務している者が、その時間帯において、その職種以外の業務に従事していない場合

②非常勤かつ兼務

1日あたり4時間(週20時間)勤務している者が、その時間帯において、その職種に従事するほかに、他の業務にも従事する場合

※①〜④:事業所における通常の勤務時間が1日当たり8時間(週40時間)と定められている事業所において従事する者の例

雇用契約上の正規職員かパート職員かではないため、要注意です。

 

(1)当該事業所において定められている常勤の従業者が勤務すべき時間数

当該法人又は事業所で定めた「就業規則」が根拠となります。従業者が10人未満のため就業規則の作成義務がない場合でも、児童福祉法上、常勤換算を算定するための根拠として必要であるため、常勤者の勤務日、勤務時間に関する就業規則に準じた定めを作成する必要があります。

労働基準法上、1週間に勤務すべき時間数の下限はありませんが、児童福祉法上の定義に従い、32時間未満で定めた場合は「非常勤」という扱いになります。

ただし、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律に規定する「母性健康管理措置」又は育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律に規定する「育児及び介護のための所定労働時間の短縮等の措置」が講じられている者については、利用者の処遇に支障がない体制が事業所として整っている場合は、例外的に常勤の従業者が勤務すべき時間数を30時間として取扱うことも可能です。


(2)常勤・兼務について

常勤の要件判定は、「当該事業所における勤務時間」で考えることから、複数の事業所間での兼務は、常勤ではなく非常勤とし、時間を分けてそれぞれの事業所における勤務形態一覧表を設定するものとします。

例:同一法人内の放課後等デイサービス事業所Aと放課後等デイサービス事業所Bの児童指導員として、それぞれ月80時間ずつ従事する者は、双方の事業所において「非常勤」として扱う

 

同一事業所又は多機能型事業所で兼務している業務の合計の時間数が常勤の従業者が勤務すべき時間数に達していた場合に、常勤兼務として扱う者は次に限られます。

①同一事業所の管理者と、児童発達支援管理責任者もしくは相談支援専門員
②同一事業所の管理者と、直接支援員(児童指導員・保育士等)
③多機能型事業所のA事業の管理者とB事業の管理者
④多機能型事業所のA事業の管理者とA事業の児童発達支援管理責任者とB事業の管理者
⑤多機能型事業所のA事業の管理者とA事業の児童発達支援管理責任者と
B事業の管理者とB事業の児童発達支援管理責任者
⑥保育所等訪問支援事業所の管理者と訪問支援員
⑦保育所等訪問支援事業所の児童発達支援管理責任者と訪問支援員

②のように直接支援員を兼務する場合は、その兼務の状況に関わらず、一日の勤務時間の半分ずつをそれぞれの職種の勤務時間として算定します。

※1 保育所等訪問支援、居宅訪問型児童発達支援において、同一人物が指定基準上必要とする職種全て(訪問支援員、児童発達支援管理責任者、管理者)を一人で兼務することは認められません。

※2 多機能型事業所(例:放課後等デイサービス+保育所等訪問支援)において、例えば、放課後等デイサービスに係る人員基準を超えて更に配置している職員(当該職員が不在であっても人員基準に影響がない職員)が兼務したり、放課後等デイサービスに係る人員基準において配置が必須とされている人員であっても、放課後等デイサービスにおいて配置が必須とされる時間外に訪問支援員を兼ねることは可能です。

 

 

この記事の監修者
あいまり行政書士オフィス 代表・行政書士
千葉 直子
2021 年 8 月 許認可専門の「とおる行政書士オフィス」 設立
2023 年 3 月 障がい福祉専門の「あいまり行政書士オフィス」 へ事務所名を変更
専門分野:障害福祉
高校・大学とボランティア部に所属
福祉系大学を卒業
【セミナー実績】
障害福祉行政書士のための法令と事例解説
行政書士向けコミュニティでのセミナー
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