障害児通所支援事業所等の安全計画について
令和6年4月1日から、障害児通所支援事業所等における安全計画の策定が義務化されます。
令和4年9月の静岡県牧之原市において、認定こども園の送迎バスに置き去りにされたこどもが亡くなる
という大変心が苦しくなる事案も発生を受けて、しっかりとこどもの安全を守っていく対策になります。
「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準等の一部を改正する省令(令和4年厚生労働省令第 159 号)」
において、障害児通所支援事業所、障害児入所施設については、令和5年4月1日より安全に関する事項に
ついての計画(以下「安全計画」という。)を各事業所等において策定することが求められています。
令和5年4月1日から1年間は努力義務でしたが、令和6年4月1日から義務化になります。
事業所様における安全の確保の取り組みについては、児童発達支援ガイドライン、放課後等デイサービスガ
イドラインにも示されていますので、再度確認をしておきましょう。
新省令に基づく安全計画策定って何ですか?
児童発達支援、放課後等デイサービス(障害児通所支援事業所)は、年々増加傾向にあります。
ずさんな管理が指摘される事案も発生しており、より、こどもたちの安全をまもる国の動きがあります。
令和5年4月より当該事業所等を利用する児童の安全を確保するため
の取組を計画的に実施するための計画を策定しなければならない。
(設備運営基準第6条の3第1項、通所支援基準第 40 条の2第1項、入所施設基準第 37 条の2第1項より)
■事業所の設備の安全点検の実施に関すること計画のことです
■従業員さんやお子さんに対し、
- 事業所内での支援のとき
- 散歩などの事業所外活動のとき
- 事業所が車両による送迎を実施している場合における車両での運行時など
- その他事業所外での活動、取組など
安全確保ができるために行う指導に関すること、安全確保に係る取組等を確実に行うための従業員さんへの研修
や訓練に関することなどを計画的に行うためのものであることが、求められています。
安全計画の策定、具体的には何をすればいいの?
事業所さんは、各年度において、その年度が始まる前に、事業所さんの設備や安全点検、事業所外での活動
取組みにおける、従業員さんやお子さんに対する安全確保のための指導、従業員さんへの各種訓練や研修等
の児童の安全確保に関する取組みについての年間スケジュール 【安全計画】 を定めましょう。
安全確保に関する取組みと実施時期の例です
実施時期 | 取組内容 |
年度始め ※取組が不十分の場合は 速やかに |
・事業所内外の安全点検に関する年間スケジュールを定める
・リスクが高い局面や緊急時の行動マニュアルを策定(見直し)し、職員間に共有、必要に応じ、掲示する ・各種訓練(災害・救急対応・不審者対応・119 番通報)の実施に関する年間スケジュールを定める ・自治体が実施する年間の研修を把握し、参加スケジュールを確認する ・職員の採用時等の研修機会確保のため、オンライン研修等の手段をあらかじめ把握する ・事業所での安全対策を共有するとともに、家庭内での安全教育の実施を依頼する ・児童への交通安全を含む安全指導のため、地域の関係機関とも連携し、年齢別の指導方法を定める
|
6 月頃 | ・水遊び・プール活動のマニュアルを職員に再周知・共有するとともに、必要に応じてマニュアルを見直す |
11 月頃 | ・降雪時等の屋外での活用のマニュアルを職員に再周知・共有するとともに、必要に応じてマニュアルを見直す |
随時 ※職員の採用時又は児童 の入園時 |
・職員の採用時等にオンライン研修等の受講機会を設ける ・保護者に事業所での安全対策を共有するとともに、家庭内での安全教育の実施を依頼する(再掲) |
事故発生時 ※ヒヤリ・ハット事案 |
・発生した事案の分析と再発防止策を検討し、安全点検やマニュアルに反映するとともに、職員・保護者に周知する |
おわりに
お子さんが亡くなってしまう悲しい事案が発生しないよう、お子さんも保護者様も、そこで働く従業員さん
の安全を計画に落とし込み、実行をしていきましょう。
義務化が多く、事業所の運営は大変かと思いますが、これも事業所を経営、運営していく人の義務になります。
ほとんどの事業所さんは、すでに策定しており、実行されているかと思いますが、実地指導などの確認項目に
もなってきますので、まだ策定していない事業所様は、ご対応をお願いいたします。
ご不明な点は、お問い合わせフォームからお問い合わせください。
千葉 直子
2023 年 3 月 障がい福祉専門の「あいまり行政書士オフィス」 へ事務所名を変更
専門分野:障害福祉
高校・大学とボランティア部に所属
福祉系大学を卒業
【セミナー実績】
障害福祉行政書士のための法令と事例解説
行政書士向けコミュニティでのセミナー