【2026年最新版】放課後等デイサービス開業の人員基準とは?必要な職種・人数を解説

今回は、放課後等デイサービスを開業する際に必要となる「人員基準」について、分かりやすく解説します。

※本記事は、2026年7月時点の制度を基に、主として重症心身障害児以外の児童を対象とする一般的な放課後等デイサービスについて解説しています。重症心身障害児を主な対象とする事業所や、多機能型事業所などには、別の基準や特例があります。

放課後等デイサービスの開業には「指定」が必要です

放課後等デイサービスを開業するためには、児童福祉法に基づく「指定障害児通所支援事業者」の指定を受けなければなりません。

指定を受けるために確認される主な基準は、大きく分けると次の3つです。

①法人格
②人員基準
③設備基準

このうち「人員基準」とは、事業所に配置しなければならない職種、人数、資格、勤務時間、常勤・非常勤の区分などを定めたものです。

単に「職員を何人か採用すればよい」というものではありません。

必要な資格を持つ職員が、必要な時間帯に、必要な人数配置されていなければ、人員基準を満たしていることにはなりません。

人員基準は、事業所が適切なサービスを提供するために守らなければならない、最低限の基準です。

放課後等デイサービスに必要な職種

放課後等デイサービスは、1人の職員だけで運営することはできません。

事業所全体の運営を管理する職員、児童一人ひとりの支援計画を作成する職員、実際に児童への支援を行う職員が、それぞれの役割を分担しながら運営します。

一般的な放課後等デイサービスで、中心となる職種は次の3つです。

①管理者
②児童発達支援管理責任者
③児童指導員または保育士

※事業所の支援内容によっては、次のような専門職を配置することもあります。

・理学療法士
・作業療法士
・言語聴覚士
・心理担当職員
・看護職員

※ただし、専門職を基礎人員に含める場合でも、基準上必要となる人数の半数以上は、児童指導員または保育士でなければなりません。

①管理者とは?

管理者は、放課後等デイサービス事業所の運営全体を管理する責任者です。

主な業務には、次のようなものがあります。

・従業者の勤務体制や業務の管理
・法令や運営規程を守るための指揮命令
・利用者や保護者からの相談、苦情への対応
・事故防止、虐待防止、安全管理に関する体制整備
・学校、相談支援事業所、行政などとの連絡調整
・指定権者へ提出する届出や記録の管理

管理者について、放課後等デイサービス独自の資格要件は定められていません。

ただし、誰でも形式的に名前を置けばよいわけではありません。

事業所の運営状況を把握し、従業者に必要な指示を出せる立場であることが必要です。

管理者は、原則として管理業務に専従します。

ただし、事業所の管理や児童への支援に支障がないと認められる場合には、同じ事業所の他の職務などと兼務できる場合があります。

開業時には、管理者と児童発達支援管理責任者を同じ人が兼務する体制がよく検討されます。

実際に兼務できるかどうかは、営業時間、利用児童数、業務量、他の職員の配置などを踏まえて判断されます。

②児童発達支援管理責任者とは?

児童発達支援管理責任者は、一般に「児発管」と呼ばれています。

児発管は、児童一人ひとりの状況や保護者の希望を確認し、支援全体を組み立てる中心的な役割を担います。

主な業務は次のとおりです。

・児童と保護者へのアセスメント
・個別支援計画の原案作成
・担当者会議の開催
・個別支援計画の作成、説明、同意、交付
・支援状況のモニタリング
・個別支援計画の定期的な見直し
・支援を担当する職員への助言や指導
・学校や相談支援事業所などとの連携

放課後等デイサービスでは、児童発達支援管理責任者を1人以上配置し、そのうち1人以上は「専任かつ常勤」でなければなりません。

また、児発管になるためには、単に研修を受講するだけでは足りません。

対象となる相談支援業務や直接支援業務などの実務経験要件と、基礎研修、OJT、実践研修などの研修修了要件の両方を満たす必要があります。

採用予定者が「以前、児発管をしていた」と話している場合でも、必ず研修修了証、実務経験証明書、過去の配置状況などを確認しましょう。

なお、管理者と児発管の兼務が認められる場合はありますが、児発管を、基準上必要な児童指導員または保育士の人数にも重ねて数えることは原則できません。

③児童指導員または保育士とは?

児童指導員や保育士は、個別支援計画に基づき、児童への直接支援を行う職員です。

日常生活動作の練習、運動、学習支援、コミュニケーション支援、集団活動、社会体験など、事業所の支援プログラムに沿った支援を行います。

利用する児童が10人以下の場合、サービス提供時間を通じて、児童指導員または保育士を合計2人以上配置する必要があります。

利用児童数が10人を超える場合は、次のように必要人数が増えます。

・利用児童が10人以下:2人以上
・利用児童が11人から15人:3人以上
・利用児童が16人から20人:4人以上

つまり、利用児童が10人を超えた場合は、5人またはその端数が増えるごとに、必要な職員が1人ずつ増える仕組みです。

また、児童指導員または保育士のうち、1人以上は常勤でなければなりません。

必要な職員は、放課後等デイサービスの提供時間帯を通じて、直接支援に従事することが原則です。

理学療法士などの専門職も配置できる

放課後等デイサービスでは、事業所の支援内容に応じて、次のような専門職を配置することもあります。

・理学療法士
・作業療法士
・言語聴覚士
・心理担当職員

一定の要件を満たす場合には、これらの専門職を基準上必要な職員数に含められることがあります。

ただし、専門職を配置する場合でも、基準上必要な職員数の半数以上は、児童指導員または保育士でなければなりません。

例えば、基準上2人の配置が必要な場合、理学療法士1人と児童指導員1人という配置が検討できる場合があります。

一方で、理学療法士と作業療法士だけで2人を配置し、児童指導員または保育士がいないという体制は認められません。

専門職を配置することで、運動機能、日常生活動作、ことば、コミュニケーション、心理面など、事業所の特色に合わせた専門的な支援体制をつくることができます。

児童指導員は資格の名前ではありません

児童指導員は、保育士のように「児童指導員資格」という資格証が発行されるものではありません。

法令上定められた学歴、資格、実務経験などのいずれかを満たすことで、「児童指導員任用資格」があると判断されます。

代表的な例としては、次のような人が挙げられます。

・社会福祉士または精神保健福祉士
・大学で社会福祉学、心理学、教育学、社会学などを専修して卒業した人
・幼稚園、小学校、中学校、高等学校などの教員免許を持つ人
・高校等を卒業後、2年以上児童福祉事業に従事した人
・3年以上児童福祉事業に従事し、都道府県知事等が適当と認めた人

ただし、大学名や学部名だけでは判断できないケースもあります。

採用前に、卒業証明書、成績証明書、教員免許状、実務経験証明書などを確認したうえで、必要に応じて指定権者へ事前に確認することが重要です。

定員10人の事業所では最低何人必要?

定員10人の一般的な放課後等デイサービスで、管理者と児発管の兼務が認められる場合、最小構成の一例は次のとおりです。

・管理者兼児童発達支援管理責任者:1人
・常勤の児童指導員または保育士:1人
・児童指導員または保育士:1人

この場合、合計3人が最小構成の一例となります。

管理者と児発管を別々の人が担当する場合は、合計4人以上となります。

ただし、これはあくまでも基準上の最小構成です。

職員が休んだ日、送迎に出ている時間、休憩時間、学校休業日の長時間支援なども考えると、3人だけで毎日安定して運営することは簡単ではありません。

実際の採用計画では、非常勤職員や代替職員も含め、余裕を持った体制を検討することが大切です。

人員配置でよくある間違い

開業準備では、次のような間違いが多く見られます。

無資格の「指導員」を必要人数に入れている

主として重症心身障害児以外を対象とする一般的な放課後等デイサービスでは、資格要件を満たさない指導員を、基準上必要な児童指導員または保育士の人数として数えることはできません。

補助職員として配置することはできますが、基準上必要な職員とは分けて考える必要があります。

送迎中の職員も配置人数に入れている

サービス提供時間中に職員が送迎へ出る場合、事業所内に残る職員だけで必要人数を満たせるか確認しなければなりません。

送迎担当者を含めなければ2人を確保できない体制については、慎重な検討が必要です。

常勤職員が1人もいない

児童指導員または保育士のうち、少なくとも1人は常勤である必要があります。

非常勤職員を複数名採用し、勤務時間を合計すれば常勤1人分になる、という考え方ではありません。

資格証明書を確認せずに採用する

履歴書に「児童指導員」と書かれていても、実際に任用資格を満たしているとは限りません。

採用契約を結ぶ前に、資格証、卒業証明書、成績証明書、実務経験証明書などを確認しましょう。

最低人数だけで勤務表を組んでいる

基準上3人で開業できる場合でも、職員の休憩、欠勤、研修、送迎などを考慮すると、人員基準を満たせない時間帯が生じる可能性があります。

開業時の勤務表は、通常勤務だけでなく、欠勤者が出た場合の代替体制まで考えて作成する必要があります。

職員を採用する前に指定権者へ確認しましょう

人員基準を満たさない場合、予定していた日に指定を受けられない可能性があります。

また、開業後に人員基準を満たせなくなった場合には、人員欠如減算、報酬の返還、改善指導などにつながることがあります。

特に、次のような点は、採用を決定する前に確認しておきましょう。

「この人は児童指導員として認められるのか」

「管理者と児発管を兼務できるのか」

「専門職を基準上必要な人数に含められるのか」

「送迎時間を含めて、勤務表をどのように作ればよいのか」

こうした点は、採用や物件契約を進める前に整理しておくことが重要です。

まとめ

放課後等デイサービスの開業に必要な主な職種は、管理者、児童発達支援管理責任者、児童指導員または保育士です。

定員10人以下の一般的な事業所では、サービス提供時間を通じて、児童指導員または保育士を2人以上配置し、そのうち1人以上を常勤とする必要があります。

さらに、専任かつ常勤の児童発達支援管理責任者を1人以上配置しなければなりません。

管理者と児発管の兼務が認められる場合、定員10人の事業所では、合計3人が最小構成の一例となります。

ただし、人員基準は人数だけでなく、資格、実務経験、研修、勤務時間、常勤・非常勤の区分、兼務関係まで確認されます。

理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、心理担当職員などの専門職を配置する場合も、基準上の取扱いを事前に確認することが大切です。

あいまり行政書士法人では、千葉市を中心に、放課後等デイサービスや児童発達支援の開業に向けた人員要件の確認、物件確認、行政との事前相談、指定申請書類の作成までサポートしています。

放課後等デイサービスの開業をお考えの方は、職員の採用や物件の契約を進める前にご相談ください。

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この記事の監修者

                   千葉 直子

 あいまり行政書士法人 代表・行政書士。

 障がい福祉分野に特化し、障害福祉事業所の開設支援、顧問対応、運営指導・監査対応、法改正対応などを中心にサポートしています。制度理解にとどまらず、現場実務と法令遵を見据えた実装支援を強みとしています。

  2021年8月 とおる行政書士オフィス設立

  2023年3月 あいまり行政書士オフィスへ事務所名変更

  2024年7月 あいまり行政書士法人として法人化

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