【2026年8月最新版】千葉県で児童発達支援を開業するには?法人・人員・物件・指定申請の流れを解説

児童発達支援を開業したいけれど、

「何から準備を始めればよいの?」
「物件を借りて、職員を集めれば開業できるの?」
「指定申請は、いつ頃から進めればよいの?」

このようなご相談をいただくことがあります。

児童発達支援は、主に未就学の障害のあるこどもに対し、日常生活に必要な基本的な動作や知識・技能の習得、集団生活への適応などに必要な支援を行う障害児通所支援です。

児童発達支援事業所は、物件を借りて職員を採用すれば、すぐに開業できるものではありません。

児童福祉法に基づく指定を受けるため、法人、人員、設備、運営などの基準を満たしたうえで、指定権者による審査を受ける必要があります。

また、指定申請だけでなく、事業計画や収支予算の作成、物件の法令確認、職員の採用、支援内容の検討、利用児童の募集など、さまざまな準備を並行して進めていかなければなりません。

今回は、2026年8月時点の千葉県の手続きを例に、児童発達支援を開業するために必要な条件と、指定申請までの流れを分かりやすく解説します。

※千葉県内でも、千葉市、船橋市、柏市に事業所を開設する場合は、それぞれの市が指定権者となります。千葉県とは手続きや申請期限が異なるため、事業所の所在地を決めた段階で、必ず管轄する指定権者を確認しましょう。

児童発達支援の開業で最初に確認したいこと

児童発達支援の開業準備では、指定申請書類の作成だけでなく、次の事項を並行して進めます。

・事業の対象児童と支援方針
・利用定員と営業日、サービス提供時間
・法人の設立または定款目的の確認
・児童発達支援管理責任者などの採用
・人員基準を満たす勤務体制
・建築、消防、都市計画、バリアフリー関係法令に適合する物件
・事業計画、収支予算、資金繰り
・利用児童の募集方法
・運営規程、重要事項説明書、利用契約書、各種指針・マニュアル
・国保連への請求体制

開業後に適切な支援を継続できなければ、人員欠如減算や報酬の返還、行政指導、指定取消しなどにつながる可能性があります。

開業日だけを目標にするのではなく、指定後も基準を守りながら運営できる体制を作ることが大切です。

1.児童発達支援を開業するには法人格が必要

千葉県の基準条例では、原則として、指定障害児通所支援事業者の申請者は法人であることが求められています。

法人の種類は、株式会社、合同会社、一般社団法人、NPO法人、社会福祉法人などがあります。

株式会社でなければ指定を受けられない、非営利法人でなければならない、ということではありません。事業計画、資金調達、将来の事業展開などを考慮して法人形態を選択します。

また、法人の定款や登記事項証明書の目的欄には、通常、

「児童福祉法に基づく障害児通所支援事業」

など、実施する事業の法的根拠が分かる記載が必要です。

既存法人を使用する場合は、定款変更や目的変更登記が必要にならないか、早めに確認しましょう。

千葉県の新規指定申請でも、定款または寄附行為、法人の履歴事項全部証明書の提出が求められています。

2.人員基準を満たす職員配置が必要

一般的な児童発達支援事業所では、主に次の職種を配置します。

・管理者
・児童発達支援管理責任者
・児童指導員または保育士

利用する障害児が10人までの場合、サービス提供時間を通じて、児童指導員または保育士を合計2人以上配置することが基本です。

障害児の数が10人を超える場合は、5人またはその端数が増すごとに、さらに1人を加えます。

児童指導員または保育士のうち、1人以上は常勤でなければなりません。

また、児童発達支援管理責任者は1人以上必要で、そのうち1人以上は専任かつ常勤とされています。

機能訓練や医療的ケアを行う場合には、支援内容に応じて、機能訓練担当職員や看護職員などの配置も検討します。

職員の要件は、資格証を持っているかだけで判断することはできません。

児童指導員の任用資格、児童発達支援管理責任者の実務経験、研修修了状況、常勤・非常勤の区分、兼務の可否まで確認することが重要です。

特に児童発達支援管理責任者については、採用後に要件を満たしていないことが判明すると、開業スケジュールに大きな影響が出るため、早い段階で確認しましょう。

3.物件は契約前の確認が重要

一般的な児童発達支援事業所には、発達支援室のほか、支援に必要な設備や備品を備える必要があります。

さらに、相談スペース、事務室、静養できる場所、手洗い設備、便所、避難経路などについても、実際の運営を想定して検討します。

注意したいのは、障害福祉の設備基準だけを確認して物件を契約しないことです。

児童発達支援事業所として使用できるかどうかは、次のような法令や基準を含めて確認する必要があります。

・建築基準法
・消防法
・都市計画法
・用途地域や建物用途
・自治体のバリアフリー関係条例
・避難経路や出入口の有効幅員
・段差、採光、換気等の状況

千葉県の新規指定申請でも、平面図、建物内外の写真、設備・備品一覧、賃貸借契約書、建物の安全性に関する書類、土砂災害警戒区域等の確認資料などが求められています。

物件契約後に用途変更や消防設備の追加工事が必要と分かると、開業延期や大きな追加費用につながります。

物件を契約する前に、指定権者、建築担当部署、消防署、必要に応じて建築士へ確認することをおすすめします。

4.支援内容と運営体制を具体化する

児童発達支援では、単にこどもを預かるのではなく、一人ひとりの状況を把握し、児童発達支援計画に基づいて支援を行います。

現在の児童発達支援ガイドラインでは、次の5領域を踏まえた総合的な支援が求められています。

・健康・生活
・運動・感覚
・認知・行動
・言語・コミュニケーション
・人間関係・社会性

さらに、本人支援だけでなく、家族支援、移行支援、地域支援・地域連携も併せて行うことが基本とされています。

また、事業所が実施する支援内容を、5領域との関連が分かる形で整理した「支援プログラム」の作成、公表、届出への対応も必要です。

開業時には、次のような書類や体制を準備します。

・運営規程
・事業計画書
・収支予算書
・従業者の勤務形態一覧表
・苦情解決のための措置
・事故発生時の対応
・協力医療機関との連携
・損害賠償保険
・重要事項説明書、利用契約書
・児童発達支援計画等の様式

このほか、安全計画、災害・感染症の業務継続計画、虐待防止、身体拘束等の適正化、感染症対策などについても、書類を作成するだけでなく、職員研修や訓練を含めて運用できる体制が必要です。

障害児通所支援事業所の安全計画は、2024年4月1日から義務化されています。

5.2026年の千葉県における指定申請の流れ

千葉県では、市町村意見申出制度の開始に伴い、2026年1月以降に指定を受ける障害児通所支援について、市町村への事前説明と、県への事業相談シートの提出が必須になりました。

県が指定権者となる場合のおおまかな流れは、次のとおりです。

①開設予定月の4~5か月前

事業所所在地の市町村へ事前相談を行います。

実施予定の事業内容を説明し、市町村の障害福祉計画等との整合性について確認を受けます。

②開設予定月の4か月前の末日まで

ちば電子申請サービスを利用して、千葉県へ事業相談シートを提出します。

例えば、翌年1月1日の開設を希望する場合、事業相談シートの提出期限は9月30日です。

③開設予定月の3か月前

千葉県から事業相談シートの補正を求められた場合は、原則として開設予定月の3か月前の25日までに対応します。

④遅くとも開設予定月の2か月前の15日頃まで

千葉県へ電話予約をしたうえで、第1回目の事前相談を行います。

事前相談には、申請法人の担当者と、開設予定事業所に配置する管理者または児童発達支援管理責任者の候補者が出席します。

事前相談では、支援の具体的な内容、利用児童の見込み、事業計画、申請書類などが確認されます。

また、児童発達支援管理責任者候補者の面談も行われます。

⑤開設予定月の2か月前の末日まで

指定申請書類を提出します。

申請書類に添付する事業所の写真は、机や設備、備品などが整い、実際に支援を開始できる状態のものが必要です。

⑥審査・指定

申請書類の受付後、千葉県による審査が行われます。

人員、設備、運営など、全ての指定要件を満たしている場合、原則として毎月1日付けで指定されます。

なお、2026年4月以降は、指定申請や変更届等の提出様式が変更されています。

以前ダウンロードした様式や、過去の申請データをそのまま流用せず、申請時点の千葉県公式ページから最新様式をダウンロードしてください。

児童発達支援の開業準備は早めに始めましょう

児童発達支援の開業では、法人、人員、物件、資金、支援内容、運営書類、行政手続を同時に整える必要があります。

特に、児童発達支援管理責任者の確保と物件の法令確認は時間がかかりやすく、途中で条件を満たせないことが判明すると、開業予定を大きく見直すことになります。

そのため、少なくとも開業予定日の6か月程度前から、余裕を持って準備を始めることをおすすめします。

あいまり行政書士法人では、千葉県を中心に、児童発達支援・放課後等デイサービスの事前相談、指定申請、運営規程等の作成、開業後の運営支援までサポートしています。

「この物件で開業できるのか確認したい」
「児童発達支援管理責任者の要件が分からない」
「いつまでに何を準備すればよいか整理したい」

このような段階から、お気軽にご相談ください。

※本記事は2026年8月時点の情報をもとに作成しています。指定申請の手続き、必要書類、基準の取扱いは、指定権者、開設地域、事業内容によって異なる場合があります。申請の際は、必ず管轄する指定権者の最新情報をご確認ください。

この記事の監修者

                   千葉 直子

 あいまり行政書士法人 代表・行政書士。

 障がい福祉分野に特化し、障害福祉事業所の開設支援、顧問対応、運営指導・監査対応、法改正対応などを中心にサポートしています。制度理解にとどまらず、現場実務と法令遵を見据えた実装支援を強みとしています。

  2021年8月 とおる行政書士オフィス設立

  2023年3月 あいまり行政書士オフィスへ事務所名変更

  2024年7月 あいまり行政書士法人として法人化

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