児童自立生活援助事業について(自立支援ホームについて)
義務教育終了後、児童養護施設などを退所し、就職する児童の社会的自立を促進する事業になります。
児童福祉法の改正により、児童居宅生活援助事業の一類型として法定化するとともに、児童自立生活援
助事業実施要項を定めた。(平成10年4月1日より適用)
『自立支援ホームは』児童福祉法第7条に定められた児童福祉施設には該当してきません。
自立支援ホームの名称では出てきませんが、児童自立生活援助事業については児童福祉法に定めがあります。
このページでは、児童自立生活援助事業の 『自立支援ホーム』 とはどういった施設なのか、
わかりやすく解説していきたいと思います。
自立支援ホーム その目的は?
- 児童自立生活援助事業とは、児童の自立支援を測る観点から、義務教育終了後、児童養護施設、児童
- 自立支援施設などを退所して、就職をする児童に対し、共同生活を営むべき住居(自立援助ホーム)
- おいて、相談、その他の日常生活上の援助、生活指導、就業の支援(援助の実施)をおこない、合わ
- せて援助の実施を解除された者への相談、その他の援助をおこなうことにより、社会的自立の促進に
- 寄与することを目的としている。
- 自立援助ホームとは、わかりやすく言いますと、中学を卒業した以降の、一定の事情のあるこどもに
- たいし、きょうどうで住む家を提供し、相談や、日常生活上の援助、生活の指導、就業の支援をとこ
- ろになります。
誰が事業をできるの?
児童自立生活援助の事業者は、地方公共団体、社会福祉法人などであって、都道府県知事(指定都市にあ
っては指定都市の市長とし、児童相談所設置市にあっては、児童相談所設置市の市長とする)が適当と認
めた者が事業ができます。
どういった児童が対象となるの?
対象の児童については、法律で定められています。
児童福祉法の、第6条の3『児童自立生活援助事業等』を見てみましょう。
その第1号と第2号に、定められています。
1️⃣児童自立生活援助事業の対象児童は、義務教育を終了した20歳未満の児童等、であって次のいずれかに該当
するものとして、都道府県より児童福祉法第33条の6第1項の規定に基づいて、援助の実施が必要とされた児
童としています。
1 小規模住居型自動養育事業を行うもの、もしくは、里親に委託する措置、、児童養護施設、情緒障害児短
期治療施設、児童自立支援施設に入所させる措置を解除された児童。
2 上記以外の児童であって、都道府県知事がその児童の自立のために援助や生活指導などが必要と認めた場合
2️⃣満20歳に達した日から、満22歳に達する日の属する年度の末日までの間にあるもの
自立支援ホームの中のことをおしえて
児童自立生活援助事業の目的や、どういったものが事業者になれるのか、対象となる児童を見た上で
自立支援ホームの中のことを見ていきましょう。
自立援助ホームは、何人はいれるの?
自立援助ホームの入居定員は、5人以上20人以下。
運営規定を定めるものとする。
自立援助ホームの設備って何が必要なの?
自立援助ホームの設備について、大きく分けて4つの項目でご紹介します。
1.日常生活を支障なく送るために必要な設備を有し、職員が入居児童に対して適切な援助、生活指導を
行うことができるものであること
2.一人一人の入居している児童の居室の床面積は、1人当たり4.95㎡以上とすること。
1居室あたりの入居児童は、おおむね、2人までとすること。男子と女子は別室にすること。
3.居間、食堂など、入居している児童が、相互交流することができる場所があること
4.保険衛生、安全について配慮されたものでなければならない
どういった援助や生活指導が行われるの?
児童自立生活援助事業は、児童が自立した生活を営むことができるように、その児童の身体、精神の状況、
その置かれている環境に応じて適切な援助や、生活指導をおこなっている。
大きく6つの項目をあげます。
1.就労への取り組み姿勢、職場の対人関係についての援助や指導
2.対人関係、健康管理、金銭管理、余暇活用、食事など、日常生活に関すること、その他自立した
日常生活、社会生活を営むために必要な相談・援助・指導
3.職場を開拓するとともに、安定した職業に就かせるための援助・指導・就労先との調整
4.児童の家庭の状況に応じた家庭環境の調整
5.児童相談所、必要に応じて市町村、児童家庭支援センター、警察、児童委員、公共職業安定所
などの関係機関との連携
6.自立援助ホームを退去したものに対する生活相談など
どういった職員さんがいるの?
1️⃣自立援助ホームのは、必ずいなければいけない職員さんがいます。
・指導員 主として児童自立生活援助に携わるもの
・管理者 (管理者は指導員を兼ねることができる)
2️⃣指導員さんの配置について
・入居定員が6人以下の場合は、指導員は3人以上を配置する。
・ただし指導員を2人以上配置している場合には、残りを補助員(指導員を補助するもの)を持って代える
ことができる。
・入居定員が7人以上の場合は、指導員を4人以上配置し、以降入居定員が7人から3人増えるごとに、指導
員を一人加えて得た人数以上にする。
・ただし、指導員数から1を現じた数以上指導員が配置されている場合には、残りの因数を補助員をもって
代えることができる
指導員にはどういった人がなれるの?
①~④に該当する人が指導員になれます。⑤の人は補助員になれます。
①児童福祉施設最低基準第43条に定める児童指導員の資格を有するもの
②保育士
③児童福祉事業及び社会福祉事業に2年以上従事したもの
④ ①から③に準ずるものとして、都道府県知事が適当と認めたもの
⑤法第34条の19第1項各号の規定に該当しないもの
第十八条の四
この法律で、保育士とは、第十八条の十八第一項の登録を受け、保育士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者をいう。
第三十四条の十九
都かけに法律の原文を載せます道府県知事は、第二十七条第一項第三号の規定により児童を委託するため、内閣府令で定めるところにより、養育里親名簿及び養子縁組里親名簿を作成しておかなければならない。
第四十三条
児童指導員は、次の各号のいずれかに該当する者でなければならない。
一 . 地方厚生局長の指定する児童福祉施設の職員を養成する学校その他の養成施設を卒業した者
二 .大学の学部で、心理学、教育学又は社会学を修め、学士と称することを得る者
三 .学校教育法の規定による高等学校若しくは中等教育学校を卒業した者若しくは通常の課程による十二年
の学校教育を修了した者(通常の課程以外の課程によりこれに相当する学校教育を修了した者を含む。)
又は文部科学大臣がこれと同等以上の資格を有すると認定した者であつて、二年以上児童福祉事業に従事したもの
四 .学校教育法の規定により、小学校、中学校、高等学校又は中等教育学校の教諭となる資格を有する者であつて、厚
生労働大臣又は都道府県知事が適当と認めたもの
五 .三年以上児童福祉事業に従事した者であつて、厚生労働大臣又は都道府県知事が適当と認めたもの
おわりに
今回は、児童自立生活援助事業(自立援助ホーム)とは、制度上から、どういったものかをご説明いたしました。
次回は、自立援助ホームの制度上の運用について、解説していきたいと思います。
お読みいただきましてありがとうございました。
千葉 直子
2023 年 3 月 障がい福祉専門の「あいまり行政書士オフィス」 へ事務所名を変更
専門分野:障害福祉
高校・大学とボランティア部に所属
福祉系大学を卒業
【セミナー実績】
障害福祉行政書士のための法令と事例解説
行政書士向けコミュニティでのセミナー